太陽光・熱利用型仮設大規模養殖池
日本は長い列島で、四季を持っているので1年を通しての温度差が大きく、最南端の九州でも冬は雪が降り、暖房が必要になります。
この頃、微細藻類(植物プランクトン)から食品や飼肥料・燃料を創る事が話題になっていますが、燃料は販売価格が安いため、人工的に製造しようとすると大規模大量生産しないと採算に合いません。そこで
① 海面養殖では深層水「湧昇」を使う研究
② 陸上では水槽を作り、その水底にO2を注入し、水底のリンやチッソとシリカ他ミネラル類を太陽光により、光合成を繰り返す事の研究
が進んでいます。
しかし、陸上で安価な大規模水槽プールのようなものを作って温度調整を行い、光合成をする太陽光が入るようにすると大変堅牢な温室、大型建屋を作る事になり、現実的でありません。そこで、私達は
①小割水槽の上に屋根を付け
②その水槽を整然と並べ
③四角槽の外側に柱を付けることで屋根を伸ばしていく
?ことで大規模の太陽光利用温室を可能にしました。
1.従来型建屋内水槽(人工光・人工熱利用)
従来の形式ですと、温室に大型水槽を入れようとすると、三角屋根が高くなり、大容量のスペースが必要となり、建設コストや温調コストが高くなり、経営的にも不可能です。
2.建屋なし屋根付小割水槽(太陽光・太陽熱利用)
しかし、小割水槽であれば、仮設設備での設置が可能で、建屋が不要になります。
?3.小割大規模装置(太陽光・太陽熱利用)
簡易型小割水槽をたくさん並べて、柱をたくさん立てるようにすれば、屋根を高くしないで大きな温室でも建設出来ます。
※ 装置:外壁屋根付内壁なし小割水槽のみ。支柱によりハウス天井を支える。
日本では農業用温室は300坪1,000㎡となっていますが、オランダでは1基10,000㎡という超大型が標準仕様となっています。
私達が考えたコンクリート製10m×10mの水槽ですと、柱を立てることで作業性の良い、堅牢なオランダ型の耐候性ハウスを作る事が可能です。
藻類栽培・石油代替燃料用池を日本で作る事は一般的にはコスト的に不可能であると言われています。但し、大型施設が作れますので、今後
① 政府の支援があるか?(今回の復興支援が利用出来る。)
② 他の収益源と併用する。
ことで可能となります。(提案するバナメイ養殖との併用)
タンパク質・燃料の分散生産(自給)という意味でも必要な案件かと考えます。
設置面での注意事項
① 通常、ハウス内には屋根を支えるために柱を立てる事が必要です(下図)。
しかし、水槽の内に柱を立てる事は水槽内の水流を乱す事になり、水槽内に柱を立てる事は避けないといけません。
② 水槽を作るコンクリート製品は全国的に統一価格となっています。
③ 耕水機は25Wの電力で、絶えず水を耕水する性能を持つキーとなる装置ですが、1水槽に1耕水機セットとなる安価なものを装置します。
④ 防水はシート防水として規格統一することで安価としています。
但し、防水シートの施工は地元民が自ら施工する場合、専門防水加工業者が施工する場合は、工事費用が変わってきますのでご承知下さい。
微細藻類とバナメイの併業 ~日本でも微細藻類(石油代替燃料創出)の養殖が出来る!~
日本で燃料となる藻類を単品で栽培しようとすると、日本は土地や設備・ランニングコストが高く、採算面からして日本で陸上栽培することは難しいと言われてきました。
しかし、
① 復興事業により土地や設備費補助がある
② 他の事業と併業し、費用を分担・補完できるシステム化
等の条件が整えば、日本でも微細藻類の栽培が採算に乗ります。日本でも採算が合うならば、世界で微細藻類の陸上栽培が可能になるでしょう。
今やグローバル種となってきたバナメイを『養殖』し、その『糞尿を肥料として藻類を栽培』し、『バナメイのエサとして循環させる』ならば、温暖化防止に寄与することでもあり、日本で、いや世界中での栽培が可能になります。
とりあえず、日本は石油輸出国をめざし、この一連の技術を確立し、世界に輸出するなら、大変な社会貢献となるでしょう。まさに動植物複合陸上養殖が地球を救う一歩になるでしょう。
?一番の効果として、ランニングコストと設備費が大幅に節減されます。
藻類栽培 | 人件費については、少なくとも上図1:1の規模ならば、バナメイ養殖費用の中で賄えます。そして、この小割水槽システムを使えば、規模の拡大も容易です。 |
バナメイ養殖 | 排水・水浄化費用が不要になる可能性もあります。 |
養殖のキャッシュフロー経営の典型となり、事業者自身で管理可能ですので、モチベーション向上につながります。
従来、魚介類の養殖排水を使って植物栽培をするということが目標とされていました。しかし、養殖には海水を利用するときは、海水を真水で薄めて植物栽培をしなければならなかったわけです。海水で栽培をするというのは大変少ない例でした。
しかし、微細藻類を栽培する場合、排水(海水)をそのまま利用出来るため、非常に合理的なシステムになっています。