無から有へ、利益を出せるバイオマス
私達が毎日使う人間向けのサプリメントは安いものではありません。地域で作る“サプリメント”なら安く健康的で地域活性化に繋がるはずです。
液肥の作り方―表土葉面散布、保水剤
単なる有機ではなく―農薬分解(無農薬)&減硝酸と食味向上健康農産品
①液肥のための“穴掘り”は高額
日本で土木会社やプラント会社に頼み、穴を掘ると水圧や土圧がかかるとして大変厚いコンクリートのプールを作ります。穴を掘ると水が出るかも知れません。掘り出した残土が廃棄物になります。穴を掘るだけでも高価になるとして利用が少ない肥料製造方法です。しかし、私には実際は設備費がかからず、安すぎるためメーカー等に益が少なく、国の補助金がもらいずらく、商売がしにくいと聞こえるのです。
②東南アジアでは全面シート張り
東南アジアのブルネイのエビ養殖は全面シート張りが標準仕様となっていました。マングローブの土壌は強酸塩素土壌で、日本の微生物資材やエビの成育には適さないので、全てシート張りにしたらPH対策となり、ヘドロの回収用として便利との事でした。タイでは壁面にシートを張り、雑草や水草の生えるのを防ぎ、底質に貝殻を粉砕したものをPH調整剤として敷く等、各国“シート”を上手に使っています。池の大きさは5,000~10,000㎡と大型ですので、技術的には先進国でなくとも作れるものです。
③アジアだけでなく欧州各国でシートを活用
欧州では簡易的に穴を掘り、壁面にシートを張って防水します。シートも30㎝位肉厚のものから1m/m位の面状シートと色々あります。
④液肥作りには、“穴を掘る”代わりに“小割組立水槽”を活用
今回私達は液肥を作る穴を掘る代わりに小割水槽を組立、防水シートを張って、その中に糞尿等有機物を投入し、バイオファンを回します。隠し味で「破砕機や繊維質を分解する微生物資材を活用する」「小型化する」等工夫はします。但し、水槽で動植物を飼育するのと違って、微生物を増殖するだけですので、エアーも少なく、ポンプも不要な簡易型で済む訳です。
農家が自分で作れる組立式水槽製造法で糞尿処理がお勧めです。
⑤21世紀型農業への挑戦~技術輸出のため液肥を作ろう。―熱帯気候栽培に挑戦!!
日本では液肥作りが進んでいませんが、欧米では液肥が主流です。そこで、日本式堆肥と液肥を併用する「新しい農法」を確立してみませんか。
液肥には糞尿発酵液の他に「海水」もあります。水を加工したミネラル水もあります。材料も海藻他植物利用も出来ますので、どこの新興国でも作れます。
日本では「液肥を撒いていると農薬を撒いていると誤解されて困る」事もあるようですが、水ですと自動配水・点滴、温度調整等機械化も容易ですので、淡水の少ない所、熱帯地方、極寒地帯、新興国の農業でも使えるようになります。
日本には水がありますが、水の少ない国に日本の高度技術で最適システムを創り、海外に進出し海外に技術移転したり、海外で耕作する21世紀型農業にも繋げようではありませんか。
⑥ここでも「地域通貨」が生きる
燃料の原料として集める木質と同じ事で、落ち葉や食品、農業用残渣があり、自治体が管理している人糞(下水汚泥)も地産地消したいですね。
燃料と堆肥、液肥の原料集めに使った手間を「地域通貨」で支払ったり、使ったりする事で地元経済を潤す事になります。
肥料を自給する―分散型発酵システム
地域で作る糞尿処理設備―バイオマスニッポンはほぼ赤字か?
これまで工場型畜産が各地に作られてきました。しかし、その糞尿を処理する事が出来ず、国は多額の“補助”をしてきました。しかし広域施設では補助金をもらっても施設が利益を出さなければ、負担になっても地域開発のキーとはならないでしょう。「バイオマスタウン構想」として出発した堆肥やペレット構想で「生産しているのが2割」「発電が1割」との事で、事業が仕分けの対象になっています。総務省は214事業、総額6兆5,000億円が無駄であったとしていますので、生産しているところでも赤字が殆どでしょう。技術が伴わない施設は地域の宝とは言えないのです。私は分散型に変えないといけないと考えます。
まず、地域で作って来たものを分散型、個別農家で作れるものかどうか、どのくらい費用がかかるものか検証してみましょう。
①糞尿処理の「プラント」の建設費
従来、補助金は色々あるでしょうが、頭金がないと作れません。糞尿も同じです。
① 補助金付きプラント 4,500~5,000万円位 ② 穴を掘った液化処理槽 1,500万円位 150t槽 ③ コンクリート製組立水槽 5~700万円位(水槽より安価 150t槽) |
水槽800万と比べると、設備費が不要ですので安価で容易でしょう。
補助金があっても頭金が必要です。頭金3割とすると1,500万円が自己資金です。当然の事ですが②と頭金が同じ位なので、②でなく役所が進める①を選んでいました。500万円くらいで全部出来たらようやく補助金に頼らない、最新技術の利用施設の導入が出来る価格になるのです。
最新技術とは“省エネ”“少ないランニングコスト”“低投資省スペース”“廃棄物再利用”しかも“高品質”のものです。尚且つ、特殊菌を投入するのではなく、地元菌相の活性化を図ります。機械施設ではなく雰囲気を作る事が必要なのですが、施設に金をかけているのです。地元菌を活性化させる「環境」にするノウハウが必要で、施設を動かす技術が必要です。
(2)微生物資材について
「発酵と言うと微生物」と言う事ですから、私達の微生物資源についてまとめておきましょう。
(3)個人で作る堆肥施設
さて、液肥製造について検討した訳ですが、農業残渣や落ち葉等、幅広く分散しているものを原料とする堆肥製造はどうでしょう。
これは水槽の様に『防水』の必要がありませんから、コンクリート組立式は更に安価になります。但し、うずたかく積み上げるため立体的になりますが、山形に積めれば発酵が進み重量がかかりません。仕切りがありますので、「底部に送気菅」と「雨除け屋根」があるだけで堆肥槽は出来ます。コンクリート組立水槽方式を使えば従来の1/10~1/20の費用となり、通常コンポストの頭金以下となります。農家が自分で資金手当て出来る事が条件です。
コンクリート組立方式では図の5槽の場合なら、材料費は多くても100万円位ですから、工事を手伝ってもらえば個人でも大型の発酵槽が出来るレベルになっています。
(4)堆肥の作り方
タダで手に入る地元の原料を加工する訳ですが、小規模であれ農家が失敗しないためには条件があります。
(ア)出費が少ないこと 堆肥舎は仮設仕様で、建屋不要、屋根付きです。従来の補助金は頭金が都合出来、コンポスト施設が出来たとすると、施設は大型建造物新設「不動産」となりますので、税金がかかってきます。出来上がった堆肥は自分の畑に使えば良いのですが、税金は新たな出費となります。上手くコンポストが高値で売れればよいのですが、税金が払えないと本来必要な諸費用を節約するようになります。そのため微生物相が安定せず、良いコンポストが出来ずに失敗する事が多いのです。 (イ)省エネルギーと農家発電― 屋根から可視光線が入る窓を付け、屋根の窓以外にソーラーを付ける事を提案します。 図には吸気送気管がありますが、堆肥づくりに必要なエネルギーとしては、このブロワーにかかる僅かな電気代のみとなっています。この電気代をソーラーで賄い、余剰電力を売電する事で発電事業となります。 これまでこの必要な諸費用であるブロワー代を節約する事で失敗する例が多いので、この電気料を自給する事が重要です。堆肥槽よりソーラーが高価になるかも知れませんが、ランニングコストがかかりませんので是非つけたいものです。堆肥舎とソーラーは別腹と言う事です。 |
?光合成細菌―光合成のもう一つの生物資材
アクアエコファームを追求する私達にとっては、食物連鎖系において 水中での光合成細菌体→動物プランクトン→動物 水中での光合成→植物プランクトン→動物 となり、光合成菌体は植物と同じように、チッソからアンモニアを作り、光合成を促進させ、炭酸同化作用を促進する事で温暖化を防ぐ役割を果たすものです。 また、他の好気性菌類が酸素を吸収し、炭酸ガスを外へ放出しますが、光合成菌は地球上に広く分布し、酸素がないか少ない所で硫化水素(炭素源)をエサとして水素ガスを放出します。温度帯が広くあらゆる汚泥物をエサとします。従って温暖化ガスを放出しないで、光合成し環境浄化もする「温暖化対策となる堆肥づくり」となります。 このエコな光合成細菌が有機物の堆肥化や浄化に有効ですので、安価に提供する予定です。ご希望によっては地元で培養出来るようご支援いたします。
?乳酸菌生成エキス―腸まで届く乳酸菌
エコシステム養殖においては「サプリメント・プロバイオティクス」として「鮮度維持」して使いますが、農業用としても優れた液状資材です。現状は微生物資材で飲んだり、食べたりしてよいものは乳酸菌製剤だけです。私達はこの「乳酸菌生成エキス」を人間・動物・植物用として使い、養殖の「プロバイオティクス」として使います。 人間にとっては医療機関用サプリメントとして最も使われています。(月刊「健康と医療」ドクター1,000人アンケートより)
?特殊菌 光合成細菌とは別に特定微生物を投入して、生分解(堆肥化)を進める方法もあります。こうした特種菌は色々開発されています。如何様にも計画・目標に応じ御相談させて頂きます。 “150℃高温菌”“木質対応菌”“油対応菌”“500種混合(食品扱い)菌”等色々用意していますのでご相談下さい。
植物発酵促進剤―石油、鉱物油を分解する
発酵促進のために、従来からの特別な微生物資材を投入しない「バイオレメテーション」が出来る活性剤、コンブ発酵酵素があります。 |
以上微生物資材は農・水共通資材です。
何をどう使うか、地元の将来計画やこれまでの取り組みを考慮してご提案いたします。
地域通貨―資本(信用)を作る
これまで度々無から有を生む、「地域通貨」と言う言葉が出てきましたので、少し解説してみます。
①目的…地域活性通貨
バイオマスタウンがほぼ100%失敗しているのは、バイオマスの集荷が出来ないところにあります。未利用のものも、使い方を間違えると廃棄物となって高額な処理費がかかる事になり、自治体も手を出せなくなります。そこで、地域で相談して目的によっては未利用資材を物として扱わず、“サービス・作業対価”として扱う事が必要です。ボランティアでない、小さな交換(サービス、作業)方法が必要なのです。
②頭金を作るために ?何もしないでも確実に収益が上がると分かっていても、銀行は担保主義ですから、ソーラーパネルの頭金が払えないと設置出来ません。漁業団地の頭金もしかりです。2ヶ月後に返せるとしても赤字の漁協にはなかなか融資がされません。地域にお金が落ちれば廻り回って銀行にお金が入る訳ですが、地方銀行の担当者だけでは解決出来ません。そこを何とかするのが「地域通貨」ではないかと考えています。 |
地域通貨の歴史的変遷
①ボランティアの延長で、サービスを交換する。高齢者や過疎地域において介護などの分野から誰でも出来るサービスを地域社会の力として活用しようとするものです。 ②庭の手入れ・子守り・留守番・買い物等個人レベルの「作業」を独自に「評価」し「時間単位」でカウントし、参加メンバー間サービスをやり取りする。また時間を安価な価格(利益を見ない)で売買するところもあります。コミュニティの再生・地域内の交流により経済的環境を作ろうとするシステムです。 ③国が発行する通貨とは別に、民間が独自の単位で発行する通貨。但し、この国が発行する通貨は銀行に預けたり借りたりすると利子がつくが、民間が発行する通貨には利子がつかない。中小企業を支える(“が”支える)金融システム。スイスでは1/5の中小企業が加盟し、取引額は年間1兆7千億円にもなります。通常代金の一部は国の通貨を使い、併用する事が多いようです。 ④元々第1次大戦後の世界恐慌で失業者が溢れ、企業がまともな取引が出来ない事から、苦肉の策として行い、短期間で経済再生が出来、各国に広がりました。 当時は“時間を区切って使いきらないと持っている通貨が減価する”と言ったもので、資本主義に逆行するとして戦勝国から弾圧され消滅しましたが、中立国スイスでは、今でも全国で通用し、法律でも守られる第2通貨となっています。 日本にも利子の付かない資金融通方法は“たのもし講”共同保証とか、似たようなものがありますので、地域活性に的を絞って新しい地域通貨をつくりませんか。 ⑤新しい地域開発専用通貨 (ア)作業やサービスと言う形のないものだけでなくお金も (イ)民間だけでなく、自治体や地元銀行も参加する (ウ)目的を持って集める寄付金や一次預託金―環境基金 こうした性格を持つ事で、資本金1円からOKの地方版LLC、資金調達法ともなる「新しい地域通貨」を考えます。形ややり方は地域に合った物がよいのです。尚、地域活性化のため実際に寄付金を銀行に預けて管理している地域もあります。 |